土地から注文住宅、マイホーム購入の流れ

家購入を真剣に考え始めた時に出てくる疑問が「どんな流れで家を買うのか」ではないでしょうか?購入までにどんな作業や手続きが必要なのかを押さえておくことが大切です。

本記事では、初めてのマイホーム購入の手順やポイントを解説いたします。

1.理想の暮らし方のイメージ作り

「”理想のマイホーム”とは何ですか?」と問われるとなんと答えますか?はっきりと答えられる方やうまく言葉にできないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に注文住宅の場合、理想のマイホームについて聞かれることがあるでしょう。そんなシーンで明確に答えること(伝えること)ができないと、住宅会社や担当者の得意な家が建ってしまい、数年住んでから後悔することがあります。住宅会社の担当者が、聞き上手でうまく引き出してくれるとは限りません。ご夫婦でも考えや意見が分かれることもあるので、考えをまとめたりお二人の想いを共有する時間をつくりましょう。

1-1.過去の住まい環境を振り返る

理想のマイホームは、これまで経験した過去の体験が大きな影響を与えます。これまで住んだ家を思い出してみて、そこで過ごした空間や時間を思い出してみましょう。幼少期、ひとりで過ごしたことや家族との思い出など、どんなことが出てくるでしょうか。マイホームという空間や時間があなたに与えた意味や価値など抽象化してみると理想のマイホームには欠かせない要素が出てきます。夫婦間で共有し、言葉にしてみましょう。

1-2.これからの暮らし方を想像してみる

次にこれからの暮らし方を想像してみましょう。平日と休日では、一日のスケジュールが異なると思います。家でのお二人の「時間割り」をつくり”見える化”してみるとイメージし易いです。毎日の出勤の準備や通勤、帰宅してからの家事動線、それから収納についても考えてみると課題が見えてくると思います。また、子育てや働き方など時間の経過も意識してみましょう。紙に家族の年齢を並べてみれば、何年後にどんなイベントがやってくるのかもわかります。子育てや働き方の変化、ご両親のことや老後のことまで想像を膨らませてみましょう。現在だけではなく、将来訪れる変化も取り入れ、暮らし方の想像を膨らませてみると楽しさと新たな発見があるでしょう。

1-3.理想のマイホームはこれですノート

過去や将来の住まい方をイメージしてみて、欠かせない要素を書き出してみましょう。「安全、安心」や「楽しい、便利」、「広い、明るい」などの抽象的なことばができたら、より具体的にしていきましょう。どんな場面で安全や安心を感じたいのか、楽しいとは家がどんな空間にばれば実現できるのか、どんな機能があれば便利なのか、どんどん具体化、言語化していきましょう。また、大切にしたい要素に優先順位をつけ、リストにしてみるとより具体的な要望となってきます。それから、色目やデザインについては、画像をピックアップすることを忘れないでください。これ!といたインスタなどの画像を集めておきましょう。最終的に「私たちの理想のマイホームはこれです」と一冊のノートにまとめておくと、住宅会社の担当者に上手く伝わり易く、ミスマッチを防ぐことができ、打ち合わせの時間短縮にもつながります。考えておきたいポイントはこちらです。

間取りについて

  • 家族構成、年齢
  • リビング、ダイニングの広さ
  • 和室、書斎の必要性
  • 子どもの遊び、勉強場所(子ども部屋の使い方)
  • 曜日別の家事動線
  • 収納量
  • 車、自転車の台数、来客
  • 庭やバルコニーの使い方

性能や設備、デザインのポイント

  • 耐震性能
  • 断熱、気密性能
  • 耐震性能
  • 屋根や外壁のメンテナンス
  • 建物の形や色
  • 床や壁の素材(天然素材など)
  • 風呂やキッチン、食洗機などの設備グレード

2.マイホーム予算を知って住宅ローンを決める

暮らし方のイメージができたら、次はお金の計画です。できるだけ早い段階で自分たちが買っても大丈夫な「マイホーム予算」を知りましょう。なぜなら「マイホーム予算」が明確でないと、住宅会社や土地探しにムダな時間やエネルギー、お金を使ってしまいます。マイホーム予算とは、銀行などの金融機関から借りられるお金や今の家賃と同額のローンではなく、無理なく滞りなく返済していける予算のことです。(弊社サービスはこちら、マイホーム予算診断)

2-1.マイホーム予算とは?

具体的には、これからの働き方から考えられる収入から現在の生活を土台にお二人の方針に基づくの子育てに係る教育費や長生きに備える老後資金、車の買替や旅行などのレジャー費などの出ていくお金(支出)を指しい引いて、残ったお金が「マイホーム予算」です。これを超える計画だと、収入や支出を考え直さないと家計が破綻してしまうこともあります。

マイホーム予算=お二人の生涯収入ー生活費や教育費などの生涯支出(+マイホームのメンテナンス費用など)

2-2.マイホーム予算の内訳

また、マイホーム予算と合わせて考えておきたいのは、その「マイホーム予算の内訳」です。建物や土地以外にかかる諸費用を知っておきましょう。具体的には、次のステップである住宅会社からの資金計画書(見積書)をみれば、具体的に知ることができますが、住宅会社によっては、必要な諸費用を資金計画書に含めない場合もあるので、あらかじめどのような諸費用がかかるのかを把握しておけば安心でしょう。代表的な諸費用項目はこちらです。

  • 登記費用
  • 仲介手数料
  • 住宅ローン事務手数料
  • 住宅ローン保証料
  • 火災、地震保険料
  • 収入印紙代
  • 新居での家具家電、カーテン代
  • 引っ越し費用
  • その他

購入する土地や建物の価格、住宅ローン借入額、そして自己資金(頭金)によっても異なりますが、仮に土地+建物が3,000万円で約250万円は見ておいた方が良いです。つまり、土地と建物に使えるお金はマイホーム予算から約250万円を引いた残りの金額となります。

2-3.住宅ローン選び

マイホーム予算が明確になったら、住宅ローンについても考えておきましょう。「え、まだ早いのでは??」と感じる方が多いですが、マイホーム予算とセットで考えることが大切です。手順は、まず”変動か固定を決め”、より”お得な金融機関で住宅ローン”を選んでいきます。マイホーム予算からいくら借りるのかが分かり、毎月の偏差額も明確になってきます。変動金利はいくら、固定金利はいくらが分かりますので比較してみましょう。

住宅ローン返済期間は、超長期の35年「どちらが得か」という答えは誰にもわかりません。変動してもフレキシブルに対応する、反対に返済額は一定の方が計画的に返済できるなど、精神衛生面や家計の貯蓄計画との合わせて考えていくことが失敗しない住宅ローン選びのポイントです。

土地探しが始まり、お気に入りの物件が見つかったら、想像している以上にハイスピードで手続きが進んでいき、立ち止まって住宅ローンを選ぶってことはできなくなります。お得で自分に合った住宅ローンを見つけたいという場合は、早めに動くことが重要です。住宅ローンの主な比較ポイントはこちらです。

  • 金利
  • 事務手数料
  • 保証料
  • 利用できるつなぎ融資の有無
  • 繰上げ返済などの手数料
  • 団体信用生命の保障内容
  • 返済の利便性

3.住宅会社と土地探しと決定

暮らし方のイメージやマイホーム予算をもとに具体的に住宅会社や土地をピックアップ。暮らしたいエリアで売り出されている物件情報を集めてみましょう。いきなり店頭にいくより、ネットで検索しいくつかの物件に絞り込んでいく方が効率的ですし、多くの場合、物件情報はネット上で収集することができます。ネットでは分かりにくい情報があるので、不動産会社や現地に出向いて確認しましょう。

3-1.予算感をつかむ

暮らしたいエリアで検索してみると、価格帯や土地の特徴が分かります。予算の範囲内なのか、最寄りの駅までの距離や幼稚園・保育園、学校までの時間、通勤手段や時間などを項目ごとに比較してみると、頭の中が整理され選び易くなります。

3-2.物件の特徴をつかむ

キレイに成形された分譲地が多い場合や古い町並みの物件が多い、そもそも物件情報がないなど、エリアによって特徴があります。何を優先して、妥協できる点はどこなのかを整理しながら選んでいかないと、100点満点の物件はありません。また、価格も形も良いけど「再建築できるか分からない場合」や「古家付きの場合」、そして住宅会社が決まっている「建築条件付き」といったケースもあります。それらの物件情報もリストに含め、住宅会社w訪問してみましょう。

3-3.マイホーム予算と理想のマイホームノートを活用

マイホーム予算から土地代と諸費用を引いた残りが建物に使える予算です。その範囲内で建築可能な住宅会社を選んでいくことになります。事前にネットや雑誌などでイメージに近い会社をピックアップし、マイホーム予算内で建築可能なのか問い合わせをして確認してみましょう。マイホーム予算内で収まりそうな住宅会社を3つピックアップして、それぞれの会社や展示場に訪問。訪問するとその住宅会社の強みなどプレゼンを受けて、理想のマイホームの要素に見合うようなら、無料の範囲でプランイングを依頼してみましょう。その時に重宝するのが、理想のマイホームノートです。しっかりと理想のマイホームを共有し、住宅会社担当者の提案力に期待しましょう。3社のプランが出揃ったら、①予算→②性能→③ヒトの順で住宅会社を評価し、決定。第一にヒトで選びがちですが、予算内に収まることをクリアできれば、ヒトより性能がお二人の要望をみたしているかを重視してください。そして、最後にヒトです。

4.間取りプランニング&土地購入手続き

建築を任せる住宅会社が決まったら、希望している土地を見てもらいましょう。プロがみると気づかいない欠点や一見マイナスポイントもプラスになったりします。

4-1.理想のマイホームプランニング

3つの住宅会社からお任せする1社に絞り込めたら、より詳細なプランニング(間取りなどの設計)に進みます。会社によっては、費用が発生する場合もあります。希望の土地に合わせて日当たりや動線などを加味し、プランニングしていきます。断熱や耐震などの性能に加え、屋根や外壁、建物の大きさや設備なども具体的になって現実味を帯びたプランおよび価格を提示されます。自分たちの理想のマイホームの要素が盛り込まれ、マイホーム予算内に収まることを確できたら、いよいよ土地購入へと進みます。

4-2.買付け申込み

土地+建物+諸費用がマイホーム予算内に収まるなら、土地購入の「買付申込み」を行います。土地の売り主に対して、購入の意思表示と価格を含め購入の条件を提示します。ちなみに買付申込みは、契約ではありません。

4-3.重要事項説明と売買契約書への署名捺印

買付申込みの条件で売り主と合意できれば、契約に進みます。契約手続きは、1時間半から2時間かけて重要事項説明書と売買契約書の読み合わせ(内容の確認)を行い、OKであれば署名捺印です。お二人に名義で購入するのであれば、お二人の署名捺印が必要です。重要事項説明書や売買契約書は専門用語がならび、買主であるあなたびとって不利な状況と言えます。契約日の前に内容を確認したい旨、不動産会社にお伝えし資料をもらい質問してください。知り合いに不動産会社関係者がいるなら見てもらってもいいでしょう。人生最大級の契約なので慎重にことを進めていきましょう。一般的には、売買契約の際に「手付金」を支払います。金額は、物件価格の5%~10%が相場で、現金の準備も必要です。

5.住宅ローン契約

※土地の売買契約の前に住宅ローン事前審査の手続きを進める場合もあり、状況によって順序が前後するのでご注意ください。

住宅ローンの契約の流れは、①事前審査→②正式審査→③ローン契約(金銭消費貸借契約)の3ステップです。前述しましたが、土地の買付申込みから超特急で手続きが進むので、お得で自分に合った金融機関を利用したい場合は、かなり早い段階で情報収集、比較を進めておく必要があります。なにも準備がなければ、不動産会社や住宅会社の懇意にしている金融機関を紹介され、場合によっては住宅ローン手続きのあっせん費用も発生します。

また住宅会社同様、住宅ローンも2、3の複数の銀行で事前審査をして金利などの諸条件を比較し、より良い先で契約に進むことが望ましいです。

6.工事請負契約から完成まで

間取りプランや性能、設備など仕様が決定すれば、住宅会社との工事請負契約(工事の施工をお任せする契約)を取り交わします。その後、希望プランを建築するために住宅会社が建築確認申請を行います。建築確認済証の交付を受ければ、工事開始となります。地鎮祭や建物の形ができたら上棟式を行ったり、工事を並行して内装や電気関係の打ち合わせを進めていきます。建物が目の前で出来上がっていく様子に現実味を感じたり、建築現場で大工さんとの交流もあるでしょう。

工事を進めるごとに、費用の支払い手続きを行っていきます。着工金、中間金と分割して支払う場合が多く、住宅会社と金融機関とのやりとりが必要になります。

7.引き渡しと引越し

工事が完成すれば、立ち合い検査を行い、住宅会社担当者と一緒に建物のチェックを行います。施工の不具合やキズ、汚れは気兼ねせずに指摘しましょう。指摘した項目がクリアになれば、「引き渡し」です。一般的には、住宅会社に最後の支払いを行い、建物が公に買主であるあなたの名義になる日のことを言います。設備の説明や各種資料の授受、定期メンテナンスや保証内容を確認しましょう。

この引き渡し日以降は、新居にいつ引っ越しても構いません。引っ越ししようとする1か月前には、引っ越しする業者を選んでおけば、引っ越し準備も余裕をもって行えます。引っ越したあと、たくさんある家財道具を収納し、新生活をスムーズに始めるためにも段取りよく進めていきましょう。

8.まとめ

土地から購入する注文住宅の新築一戸建ての購入の流れを解説いたしました。いかがだったでしょうか。上記は、分かり易くするために細かな工程は省いています。場合によっては、予定通りに進まない場合もあるので、あらかじめ全体像を把握しておくことは、とても重要です。不動産会社や住宅会社の担当者を信頼することが大切ですが、何もかもお任せにしてしまうと損するケースも考えられますので、事前に情報収集し、適時確認しながら進めていきましょう。

 

 

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