マンションと戸建て、資産価値が高いのはどっち?

皆さんは、資産価値について詳しくご存じでしょうか。

単語自体は聞いたことはあっても、その意味や内容を詳しく知っている方は少ないかもしれません。

そこで今回は、資産価値という点においてマンションと戸建て住宅の比較についてご紹介していきます。

ぜひ参考にしてみてください。

 

資産価値とは?

資産価値とは、売却したときに得られる収入のことを指す「売却価値」と、貸し出した時に得られる家賃収入のことを指す「収益価値」の2種類の価値のことです。

いくら売却価値が高いとしても、収益が出せる金額で貸せなければ、資産価値が高い物件とは言えないでしょう。

 

前提として、不動産は契約が決まるまでに時間がかかります。

見積もりしてもらった売却価格がそのままの売れる金額になるとは限らないため注意が必要です。

高すぎる売却価格が理由で、購入者が見つからないまま売れ残る場合もあり、その結果売り出した当時の価格が下がっていく現象が起きてしまいます。

 

また資産価値が高いとされる理想的な物件は、売り出してから短期間で成約に至り、購入した当時の資産価値と比較して低減を抑えられます。

貸し出す際は、すぐに入居者が見つかり、たとえ住宅ローンの返済が残っていても家賃収入で補え、更に収益が出せる金額で貸せるのが理想的です。

 

マンションの資産価値の特徴とは?

ここでは、マンションがもつ資産価値の特徴を解説していきます。

 

マンションは、戸建て住宅と比較して購入費用に含まれている土地面積に対して、比較的多くの所有者で区分所有することで購入単価が抑えられます。

それゆえ、建物が存続する限りは貸しやすい、かつ収益価値が高いと言えるでしょう。

 

また、浅い築年数の物件は同様の理由から売却が比較的容易です。

マンション購入を投資として捉えた場合に、購入金額が少額でありながら、高い家賃が期待でき、損益の分岐点が低いとも言えます。

 

しかし、建物の老朽化が進行すると、売却自体が困難になります。

さらに、建て替えには区分所有者の5分の4以上の同意が必要になります。

マンションの1人の住民の意思で更地にして売却することは現実的ではありません。

それゆえ、売却価値を保つことが困難だということを把握しておく必要があります。

 

また、ブランド化されている一部のビンテージマンションに関しては、近隣地域の再開発などによってマンションの価格が購入時より上がっているケースもいくつかあります。

しかし、これらに関しても何十年という長期間に渡って住む場合は、資産価値は落ちていくでしょう。

 

資産価値が自分の予想以上に下がると、大きなリスクを将来的に背負うことになります。

それゆえ、将来的な売却を考慮した上で分譲物件を購入するのであれば、マンションより戸建てを選択した方がリスクは低減できると言えます。

 

最後にマンションに住むメリットを4つ解説します。

 

まず1つ目は、利便性が高い物件が多いことです。

立地条件が良い物件が多いため、駅付近や商業施設の近くに住むことが可能で、条件が良いほど価格が上がりますが、利便性を求める人にとっては非常に住みやすいと言えます。

また、ラウンジや託児所などに設備が併設されている物件も増えてきて、生活の利便性が高いとも言えるでしょう。

 

2つ目は、設備管理や物件自体の清掃をする必要がないことです。

マンションでは管理費を支払うことで、設備管理を全て任せられます。

清掃に加えて、共用設備に問題が起きた際には、管理会社に対応してもらうことが可能で、庭の管理などはしなくても問題ない点などメリットも大きいのが特徴です。

 

3つ目は、家事動線をコンパクトにできることです。

階段がなく、面積も広すぎません。

そのため、一戸建てと比較して家事のストレスが少なく、バリアフリー性が高いことも嬉しいポイントです。

 

4つ目は、セキュリティ対策が充実していることです。

マンションには監視カメラやオートロックのなどの防犯機能がいくつかあります。

一戸建てには管理人がいないため、空き巣に狙われるリスクも増えます。

小さい子どもがいたり、夜に暗くなる立地だったりする場合は、防犯性の観点では安心できるでしょう。

 

一戸建ての資産価値の特徴とは?

ここでは、一戸建てがもつ資産価値の特徴を解説していきます。

 

一戸建ては基本的に土地と建物の所有者が同じです。

そのため、建物が老朽化した際の建て替えが容易といえ、建物の資産価値がなくなったとしても土地の資産価値が下がることにはならないため、一定の資産価値を保てます。

ただし、土地と建物を同時に売り出すため売却価格が高額になり、収益を出せる金額で貸し出す家賃も高額にする必要があるため、売却にも貸すのにも時間がかかります。

 

一般的に一戸建ての価値は30年でなくなると言われており、20年で新築時の15パーセントまで価値が低下する特徴もあります。

ただし、一戸建ての場合は土地と建物の所有者が同じであることから、建物の老朽化が進行した際に、容易に建て替えやリフォームが可能です。

 

また、一戸建てのメリットも解説します。

まず1つ目は、騒音を気にせずに暮らせることです。

建物が独立しているため、マンションのように上下階の騒音に悩まされる必要がありません。

また、逆に子どもやペットの騒音を気にして生活する必要もないでしょう。

コロナ禍で家で過ごす時間が増えた方も多く、休日にリラックスしたい時に音漏れがないことはメリットと言えるかもしれません。

 

2つ目は、家族間のプライバシーを確保して暮らせることです。

周囲のことを気にせず、プライバシーに配慮した暮らしをおくることができ、1階と2階で部屋のうまく使いわけることでより快適に生活することができるでしょう。

 

3つ目は、庭付きの家に住めることです。

庭があれば、ガーデニングや家庭菜園、子どもの遊び場として有効的に利用できます。

マンションでも庭付き物件はあるかもしれませんが、広々とした家で趣味を楽しみたい方には一戸建ての方がメリットが大きいと言えます。

 

□資産価値として有利なのはどちらなのか?

マンションも一戸建ても築年数が古くなるほど資産価値が下がるのが一般的です。

違いは、資産価値の下がり方です。

マンションに関しては、建物の老朽化に伴い、資産価値が徐々に下がっていきます。

対して、一戸建て住宅は建物の資産価値は早く下がりますが、土地は減価しません。

 

つまり、話をまとめるとマンションは築年数とともに資産価値も下がります。

しかし、下がり方は緩やかという特徴を持っています。

何年後まで価値があるかは維持管理の状態にもよりますが、中には築50年前後でも中古市場で売買されている物件も存在しているのが特徴です。

 

一方で、一戸建ての建物の資産価値は築25年前後で資産価値がゼロになるのが一般的と言われています。

ただし、状態次第では築30年以上でも価値を評価される場合もあります。

とはいえ、マンションと比較して一戸建て住宅は建物の資産価値が早く減少する傾向にあることを把握しておきましょう。

 

リモートワークで一戸建て住宅の資産価値が上昇する!

2008年に起きたリーマンショックの直前からマンションの価格は上昇し始めました。

都心での供給は高額物件に限定されるようになりましたが、買ったマンションを中古で売却する際に大きく値上がりしないように資産価値を重視する傾向は強まりました。

駅からの距離が短くなる現象は現在でも続いています。

 

その一方で一戸建て住宅は、好立地な土地の場合、地価が高い、または手が届く価格帯の一戸建て供給が困難なため、都心回帰や駅近志向の流れはほとんど見られません。

また、一戸建てを建てる人は永住志向が強い方が多いのが特徴で、買い替えを前提とした資産価値を重視しない側面もあります。

 

このようなマンションと一戸建ての立地条件の違いが価格の差異を生んでいます。

周辺環境、立地条件、広さなどどれを優先するかによって、お得度の判定も変わってきます。

 

現在のコロナ禍が住宅選びに大きな影響を与えた理由として、リモートワークの広がりがあります。

オフィスに赴くことなく、在宅で仕事をする人の割合が高くなれば、都心の会社に通勤する必要性が薄れます。

その結果、重要な要素であった通勤の利便性が下がったと言え、駅や都心へのアクセスを売りにしていたマンションの優位性は危ういでしょう。

通勤する必要がないなら、都心から離れた郊外や、駅からある程度離れた場所に家をもったほうが、自然に囲まれ子育てしやすいとも言えます。

上記理由からアフターコロナにおいては、一戸建て住宅の資産価値が相対的に高まる可能性があると言われております。

 

郊外では、都心と比較して買い物や食事をする店舗が少ないと考える方は多いかもしれませんが、大規模なショッピングモールは郊外の方が多く、店舗数や品揃えもかなり充実しています。

仮に、自分のお気に入りの店舗がなかった際にも、ネットでお取り寄せをすればなんでも手に入る時代ですので、大きな問題にならないでしょう。

 

ただし、リモートワークが今後長期にわたって普及するかどうかはまだ断定できません。

企業や職種によってはオフィスや工場で働く必要があり、鉄道を使った通勤が避けられない場合もあるでしょう。

その場合は、勤務先付近の都心マンションのお買い得度が上がる可能性も増えますので、注意するようにしてください。

 

その他考慮する点として、コロナ禍で訪日外国人によるインバウンド需要が消滅した点です。この問題の回復には時間がかかると予想されており、都心マンションの価格が高騰してきたのは、インバウンドによって支えられた宿泊施設のなどの用地需要の高まりという背景があるため、今後も引き続き影響がでる可能性があります。

 

インバウンド需要の縮小により都心の地価高騰が抑制されれば、マンション相場が下落に転じるでしょう。

しかし、マンション開発には数年の期間を要することから、用地価格の下落がマンション価格に反映されるのには時間がかかるところが考えなければいけないポイントになります。

 

まとめ

今回は、マンションと一戸建て住宅を比較して資産価値についてご紹介しました。

それぞれの資産価値は年ごとに下がっていきますが、一戸建て住宅に関しては土地の資産は減価しないです。

利便性やリフォームのしやすさを加味した資産価値を考慮した上で選択すると良いでしょう。

この記事を参考にしていただけたら幸いです。

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