子供ができた喜びと一方でこれからの子育てのお金について不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで、子育てのお金について不安を解消するために知っておきたい情報をお伝えいたします!
子育てのお金、不安になる原因は?
子育てのピークを迎える我家(専門学生と高校生)では、たしかに子供に関するお金がすごいです(笑)
「何とかなりますよ!」と楽観的にお伝えしたいところですが、30代の子育て家族のライフプラン相談の際に、子育てのお金について大半の方が「不安」を感じておられます。ひとり目を出産されてから漠然とした不安をずっと抱えていてストレスを感じている方や、何となく不安というように感じ方は人によってさまざまです。
子育てに関するお金の悩みについての調査結果を見てみると、あなたと同じように多くの方が不安を感じているようです。
こちらは、ミキハウス(三起商工株式会社)の 調査「 子育てに関する家庭内での悩み」では、子供がいるまた妊娠中の全国4,933名のうち、妊娠中の方については60%近く、全体では40%以上の方は、「お金に対する悩みがある」と回答しています。おおよそ2人に1人は子育てのお金に不安を感じていることがわかります。
奈良は子どもの教育費は全国トップクラス!?
また、ご存知の通り、全国的に見ても奈良は家計の教育費支出割合が多い傾向があります。
もしもあなたが、奈良育ちであれば子供のころそういった”子育て環境”の影響を受けたせいで「子供にはお金がかかる」と感じているのかもしれませんし、親から受けた支援を同じように子供にも与えてあげたいと思うのは気持ちは自然ですよね。
実際に直近の18歳未満の一人当たりの教育費を見てみ見てみても、奈良の教育費にかける家計支出は多い傾向があります。
では、もしあなたが子育てのお金に不安を感じているなら、それはどんな理由でしょうか?
漠然とした不安を改めて分解整理して考えてみてもいいかもしれません。
子育てのお金の不安の理由についても調査データを見てみましょう。
教育資金に不安を感じている小中高生の親に子供の教育資金に不安を感じる理由を聞いたところ「 教育資金がどのくらい必要となるかわからない」が最も多い回答のようです。
家庭での教育方針やこうなってほしいといったように明確にお答えされる方は、ほとんどいらっしゃいません。 一方、 多くの方は「 子供が選ぶ進路は応援(経済的に支援)してあげたい」という思いをお持ちです。 そうなると、教育資金がどれぐらい必要か分からなければ、不安になるのは当然でしょう。
子育てのお金はいくらかかるのか?
では、子育てにかかる費用について解説します。
子育てのお金と言うと、学校などに払う教育費を思い浮かべる人が多いと思いますが、実は教育費以外の日常生活のためのお金も必要です。
日常生活にかかるお金を養育費、学校等に支払うお金を教育費を養育費と言ったように分けてみましょう。
こちらは内閣府の「インターネットによる子育て費用に関する調査」のデータをもとに確認してみましょう。
まずは、養育費です。 項目をご覧いただくとイメージできますね。
[養育費]
- 衣類服飾雑貨費
- 食費
- 生活用品費
- 医療費
- 保育費
- 子供の携帯電話料金
- お小遣い
- お祝い行事関係費
- 子供のための預貯金、保険
- レジャー旅行費
[教育費]
- 学校教育費
- 学校外教育費
- 学校外活動費
これらの子育てにかかるお金を0歳から15歳(中学3年生)になるまでの15年間の 合計は約1,900万円になり、1年間の平均は約118万円となります。
年齢別のデータはこちらです。
子育てにかかるお金は、子どもが小さい頃は比較的少ないですが、小学生以降、進学するにつれて増えていくことがわかります。
大きくなるたびに上記の養育費の項目の支出が増えていく事は、予想通りだと思います。
高校進学の子育てのお金
高校生の子育て費用ですが、進路の選択が公立か私立かによって3年間で約185万円と大きな差になります。
公立高校の1年間の子育て費用は、1,485,081円、私立高校の1年間の子育て費用は、2,1001,141円です。
※「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」の中学校3年生の子どもにかかるお金をもとに、教育費(学校教育費、学校外活動費)を調整して、高校3年間で必要な子育て費用を試算。高校の教育費(学校教育費、学校外活動費)については、文部科学省が発表した「平成30年度子供の学習費調査」を参考にします。この調査は、私立の高校、公立の高校に子どもを通わせる保護者の支払った1年間の教育費の調査結果である。
大学進学の子育てのお金
奈良県は、大学進学率が59.9%、全国進学率ランキングで7位※で全国的にみても進学率が高い傾向があります。※文部科学省 令和2年度学校基本調査「高等学校卒業後の状況調査」より
大学生の子育て費用は、旺文社 教育情報センター「2021年度 大学学部系統別の学費平均額」によると以下の通りです。
1年間の学費(授業料、施設設備費、諸会費)は、こちらです。
- 文系・理系/国公立 約68万円(地域外)
- 医系/国公立 約70万円(地域外)
- 文系/私立 約114万円
- 理系/私立 約145万円
- 医系/私立 約365万円
医系/私立の学費が飛び抜けて高額なことに驚きますね。
それ以外の在学中の学費4年分、医系は6年分に入学金を合わせた合計額は、公立大学は270〜420万円、私立大学は420〜580万円と文系や理系、医系と高校進学と同じく進路選択によって差が大きくなることがわかります。
そして、これら学費に生活費(自宅通学)を合わせるとこのようになります。
この金額は、子供を自宅から大学まで通学させた場合を想定してます。
ひとり暮らしや寮などの下宿となった場合は、年間67万円程度の生活費が別途必要になるというデータがあります。
ここまでのデータから考えると、仮に子供が小中高は公立に進み、 大学も国立を出た場合、 子供が0歳から大学を卒業するまでに必要なお金は、約3,000万円ということがわかります。また、高校から私立、大学は県外の理系私立大学に進学した場合、下宿代も含めた総額は約3,600万円となります。
つまり、医系に進まなければ、子どもひとりあたり3,000〜3,600万円程度の子育て費用がかかることが考えられます。
子供が2人いる場合は、その2倍、6,000〜7,200万円程度となります。
3人の場合は、9,000〜1億800万円となりかなり高額になります。
どれくらいの収入があれば安心なのか?
もう少し客観的なデータを見てみましょう!
子どもひとりあたり3,000〜3,600万円程度の子育て費用がかかることがわかりましたが、いったいどれくらいの収入があれば準備できるのかについて情報を集めてみました。
日本政策金融公庫「 平成30年度教育費負担の実態調査結果」という調査結果から、 子どもを国公立・私立高校に通わせている保護者、 国公立・私立大学に通わせている保護者の平均的な世帯年収を参考に見てみましょう。
子どもの在学先別にみた世帯の平均年収
- 国公立高校 715.7万円
- 私立高校 819.6万円
- 国公立大学 894.6万円
- 私立大学 866.6万円
調査対象の世帯の概要(平均)
- 世帯の子供数 1.9人
- 小学校以上に在学中の子供数 1.6人
- 主たる家計維持者の年齢 50.5歳
現在、子ども約2人を育てている世帯のリアルな収入の推移です。
子ども2人を育てるために「なんとかなる」ラインの目安になるでしょうか?
不安を解消するおすすめ方法
ここまで一般的な誰かの子育てにかかるお金を見てきました。
子育てにかかる金額はわかったけど、不安は解消されないと思います。
大事なのは次のステップ、”あなたの場合”を確認することです。
子育てにかかるお金は、 何年後にいくら必要といったように実は比較的計画しやすい支出項目です。
何年後に進学するかがわかると、見通しができ計画が立てやすくなります。
まずは、このようなライフプラン表をチラシの裏にでも書いてみましょう。
このように見てみると、例えば、大金が必要な大学生までの年数がわかります。
子どもが飛び級でもしない限り、早まることはありません。
準備してあげたい金額を年数で割ると、1年あたり、ひと月あたりの貯蓄額がわかりますね。
まとめ
子育てのお金の不安の原因は、「いくらかかるかがわからない」ことが 最も大きな理由です。 先輩ママパパの子育て費用を参考に必要な金額は 確認できたでしょうか。
振り返ってみると、0歳から大学卒業までのひとり当たりの子育てにかかるお金は、
小中高大(公立) 約3,000万円
小中(公立)→高大(私立) 約3,600万円
また、 現在2人の子供を育てている世帯の平均年収が
715.7〜894.6万円
という調査データを見てきました。
これらの調査データは、多くの方の 一般的な数字です。
あとは、ライフプラン表を書いてみて”あなたの場合”を確認してみましょう。