おこづかいのはじめ方

マイホーム購入相談の際、家計のことや将来のライフプランのお話すると
「もっと早くお金について勉強しておけばよかった!」
「子どもにもお金について学ばせたい」と言われる方が多くいらっしゃいます。
そこで今回は、子供のおこづかいのはじめ方についてお伝えいたします!

お小遣いは絶好のチャンス

「 いつごろからお小遣い制にしたらいいですか?」
よく受けるご質問です。

お小遣いは、子どもに金銭教育を行うとても良いきっかけです。
お金の価値を体験したり、使い方や管理について学ぶ絶好のチャンスといえます。
また、お金の大切さについて親子で話す良い機会になります。
お金はどこかから湧いてくるものではなく、親が働いて稼いでくる仕組みを伝えたり、親の仕事について興味を持ってもらうことにもつながります。
また、仕事について知ることでお金を稼ぐことの大切さや必要性についても伝えることができます。
人生100年時代、そして日本の人口減少が進むなか、これまでとは異なる人生を歩む子供たちにとって、お金を稼ぐことについて知る事はとても重要な要素です。

「(友達の)〇〇君は お小遣いもらってるから、僕もお小遣いが欲しい!」
こんなふうに我が子が言い出したら、成長を噛み締めながら子どもの話に耳を傾けてみよう!

お小遣いはいつから始める?

お小遣いを始めるタイミングに正解はありません。
上述したように、子どもがお金に興味を持って提案した時かもしれませんし、親の方から進めることもあるでしょう。
いずれにしても、欲しい物はお金があれば手に入ると言う”お金の概念”が身にについた時でしょう。
小さい頃から親が買い物をする姿を見て、お金の存在には気づいています。
個人的には、お小遣いをはじめる時期は”子どもが求めるのであれば”、早ければ早い方が良いと考えています。

お小遣いの種類は?

お小遣いのあげ方の代表的な3種類をご紹介します。

報酬タイプお手伝い等の働きに応じてお小遣いの金額が決まるタイプ。
メリットは、”お金は仕事の対価”だということを実感しやすい方法です。 一方、なんでもお金に換算してしまうデメリットも考えられます。
定額タイプ週や月単位で 一定の期間に一定の金額を渡すタイプ。
定期的にお金が入ってくるので”管理方法学びやすい”特徴があります。 何もしなくてもお金がもらえるので、お金の大切さなどが伝わりにくい。
ミックスタイプ報酬タイプと定額タイプを混合したタイプ。 両方の要素を取り入れることができます。 また、報酬タイプから定額タイプへ移行する期間に活用できる方法です。

いずれのタイプもメリットやデメリット、特徴があるのでどれがベストと言う事は言えません。
家族ごとや子どものタイプなど、いろんな基準や考え方があると思いますので家族で話し合って試してみましょう。

例えば、未就学児から小学校低学年のうちは「報酬タイプ」でお手伝いなどを通して楽しみながらお金の価値を知ってもらい、報酬制に興味がなくなったり、まとまった額が欲しくなる高学年から中学生以降は、定額タイプに移行していくといたように、年齢やお小遣いの必要性に応じて見直していく形が考えられます。

お小遣い制度をスタートしてみて、子どもがどのような考えや行動をとるのか、また「お小遣いを増やして欲しい」といった要望が出てくるので、 親子で話し合って見直していく形が良いと思います。 定期的におこづかい(家族)会議を開くことをお勧めします。

我が家のルールを決める

「お小遣いは早いほうがいい」
と言っても、なんとなく初めしまっては絶好のチャンスを失ってしまいます。
子どもが興味を持っているお金について、家族で話してみましょう!
では、どんなことについて話すのか?
それはまず、”お小遣いの計画”についてです。

「 お小遣いをもらって何が欲しいの?」
と聞くと、いろんな答えが返ってくるでしょう。
頭ごなしに「それはだめ!」と言わずに、子どもの話をしっかり聞いてあげましょう。

多くの場合、おもちゃやお菓子が欲しいなど”自分のために使うお金”について熱弁するでしょう。
「お金は欲しいものを手にするため」にあるので、間違いではありません。
そこで、子どもの視野を広げるためにお金の使い方について以下の4つを伝えてみてはどうでしょうか。
また、親子で一緒に考えてみてはどうでしょうか。

おこづかい計画表

1.自分のために自由に使うお金

おもちゃやお菓子など、子供が欲しいものを自由に使えるお金です。
どんなものが欲しいのかをリストアップしていいですね。
このお金については、親は一切口を挟んではいけません。子どもを信頼して、任せてみましょう。
もしかしたら、無駄遣いをしたり 失敗をするかもしれません。しかしそれも貴重な体験で、成長には欠かせない経験です。

2. 人のために使うありがとうのお金

家族やお友達の誕生日プレゼント、場合によっては寄付など、人のために使う感謝のお金です。
自分のお小遣いで人を喜ばせたり、ありがとうと言ってもらえる使い方です。
お金はありがとうと交換するものでもあり、お金の循環がありがとう生み出すことを体験を通して学ぶことができます。
できるだけたくさんのありがとうの言葉を受け取ってもらいたいです。

3. 貯金のお金

半年から1年もしくはそれ以上の期間、頑張って貯めるお金です。
「◯◯をいつ頃買いたいから△△円貯めよう」というのが理想ですが、小さい頃はできないと思います。
いつか欲しくなった時のために準備をしようね、 といった形で始めてみると良いでしょう。
貯金は、無理強いしても難しいですよね。
例えば、「ゲームが欲しい」と言い出した時が貯金のチャンスです。
△△円まで貯めらてれたら、お母さんが○△円出してあげる、といったような提案もできますね。

4. 欲しいものがない場合

「欲しいものは何?」と聞いて、すぐに答えられない場合もあります。
僕たち大人も「誕生日に何が欲しい?」と聞かれてもすぐに反応できない時もあります。
そのようなときのために”必要なものリスト”をメモしておいてもいいですね。
必要なものリストとは、何気ない時に
「 スニーカーボロボロ、、」
「 下敷きわれちゃった、、」
など、すぐに買わなくていいものならそれらを買ったらどうかとアドバイスすると、子ども自身が自分に必要なものがわかってきます。
おもちゃやお菓子を買うだけではなく、気持ちよく勉強や遊びができる日用品にお金を使うことも学ぶことができるのです。

おこづかい帳

報酬タイプでも定額タイプでも、お小遣いをあげたら”おこづかい帳”をつけるようにしましょう。
おこづかい帳をつけるのが苦手で、継続が難しい場合はレシートをノートに貼り付けるだけでもオッケーとしましょう。
お金の管理をあまり厳格にしすぎると、子供のストレスになりますし、そもそもお金を使う・管理すると言う楽しみの感情を失ってしまいます。
大人でも家計簿をつけるのが苦手な人がいるのと同じです。

また、お金(現金)の管理方法も工夫をしてみましょう。
上述した、自由に使えるお金、ありがとうのお金、貯金のお金の3種類に分けて、袋や封筒に入れる形でもいいですし、透明の瓶に入れてもオッケーです。

お小遣い管理の上級編

おこづかいの計画表やおこづかい帳がうまく使えるようになったら、お小遣いの学びもレベルアップしてみましょう。
お小遣い制を導入している先輩たちは、以下のような”上級者向けのおこづかい”も取り入れています。

「習い事の月謝と合わせて渡す」
例えば、月額3,500円のお小遣いを渡し、そのうち3,000円は、習い事で通っている習字の月謝に充てると言うものです。
習い事の価値をお小遣いを通して感じることができるかもしれません。

「おうち銀行年利12%」
おうちの人にお小遣いを預けて増やしてもらう方法です。
金利について学んだり、商売の仕組みについて気づくことがあるかもしれません。

「 住民税(10%)」「 所得税(累進課税)」
僕たち大人ももらったお金を全部使えるわけではありませんよね。税金や社会保障費などを支払っています。
そういった社会の仕組みを理解するきっかけになるかもしれません。

「 お小遣いの一部を米ドルで」
テレビニュースやSNSなどで諸外国が身近になっていますが、日本以外の通貨を手にする事はないですね。
外貨や為替についても考えるきっかけになるでしょう。

「 お小遣いをまとめて渡す」
毎月のお小遣い制度に慣れてきたら、まとまった金額のお小遣いを渡す方法です。
年間のお小遣い相当額を先に渡す仕組みです。まとめて渡す分、利子分1%を差し引いて渡したり(利子先払い割引債のようなもの)、数年分のお小遣いをまとめて渡し、お金の使い方の選択肢が増え子どもの視野が広がるきっかけになるかもしれません。

我が家ならではのアイデアを出し合って、家族みんなで楽しく学べるようなお小遣い制度なら、親にとってもお金を通して子育ての素敵な思い出になるでしょう。

おこづかい会議を開いてみよう

お小遣いを始めようとするお父さんお母さんに「何のために子どもにおこづかいをあげるのですか?」と尋ねることがありますが、明確な答えが返って来ないケースが多いです。
「 友達が始めたから」とか「自分たちがお小遣いをもらっていたから」と言った答えが多いです。
しかし本当のところは、子どもに何か伝えたいメッセージがあるのではないでしょうか

伝えたいことの例として、このようなものが思い当たります。
お金の知識、お金を使う体験、お金の大切さや管理、 お金の使い方(必要なものかどうかの見極め)、 計画性や自立(自律)、またはおこづかい(家族)会議でのコミュニケーションやリーダーシップというのもありますね。
子供に伝えたいメッセージは、言語化し、家族・親子間で共有しておくと良いでしょう。
周りの家族やネットなどの多くの情報などに惑わされず、”我が家のルール”に自信を持って取り組むことができます。

お小遣いを始めるときに、子どもに「どうしてお小遣いが欲しいのか」と尋ねてみましょう。
そして、上述したおこづかい計画表を元に親子で一緒に考えてみましょう。
また、初めだけではなく、お小遣いタイプや金額などを見直すために定期的におこづかい(家族)会議を開催してはいかがでしょうか。
例えば、「毎月最終日曜日の晩御飯の後30分間」と決めて、先月の振り返りや今月の目標など、家族が協力できることを共有することもおすすめです。
そこで、お小遣いの値上げを要求してきた子どもに「 おこづかい提案書」で お小遣いの希望金額や増やして欲しい理由を発表してもらうことで、 プレゼンテーションやコミュニケーション、リーダーシップなどの力がすることも期待できます。 何より、家族でいろんな考え方や思いを共有することができますね。

まとめ

「おこづかいが欲しい!」と我が子が言い出したら、絶好のチャンスです。
おこづかいをいつから始めるのか、いくらがいいのか、何のためにおこづかいをあげるのか、ぜひ家族で話しあってください。
おうちの人の仕事の話はもちろん、生きていくためには電気やガス、水道などの生活費が必要なことも伝えてみましょう。

また、おうちの人がお金についてどんなルールを設定しているのかも大事なポイントです。
おうちの人がお金についてどんな知識を持って、管理しているのかその姿を子どもたちは見て学んでいきます。
お金や仕事についてどんな話をしているのか、無駄づかいはしていないのか、計画を立てているのか。
おこづかいをきっかけに大人も一緒に楽しく学んでいけるといいですね!

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