夫婦のお金について話したことはありますか?僕は結婚生活がもうすぐ20年になりますが、早く話せばよかったと後悔しています、、、
先輩夫婦はどうしてるの?
所得額(年収)や貯蓄額については、夫婦で共有されていますか?
また現在、夫婦のどちらが家計を管理されているでしょうか?
全国の結婚3年以内の20-30代男女400名を対象にした調査結果がありますのでみてみましょう!(出典:松井証券株式会社「夫婦の家計管理事情に関する調査」)
どのタイミングで「所得額と貯蓄額」を共有した?
「あなたは、どのタイミングでパートナーと所得額と貯蓄額を共有した?」の質問に、約8割の夫婦が入籍までに所得額と貯蓄額を共有しています。
あなたの家庭は、誰が家計を管理していますか?
「あなたの家庭は、誰が家計を管理していますか?」の回答は、妻が家計を管理している割合は45.0%、夫が管理している割合は24.8%、別々に管理している割合は16.4%、共同で管理している割合は13.8%であり、妻が家計を管理している家庭が最も多いようです。
お財布は一緒の方がいいの?
別々に管理してる世帯が少ないようですが、お財布は一緒の方が良いのでしょうか?共働きの男女220人を対象にしたアンケート結果をメリット・デメリットで分けてみました。(出典:マイナビニュース「夫婦のお財布事情」)
お財布を「一緒」にするメリットとデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・収入と支出の金額を把握しやすい ・貯蓄額などを管理しやすい ・無駄遣いが減り、節約できる ・一体感が生まれる ・(管理方法によっては)貯蓄が貯まりやすい | ・(収入をに内緒にできないため)自由に使えるお金が少ない ・どちらかに任せっきりになる ・貯蓄額やお金の動きがわからない |
お財布を「別々に管理」するメリットとデメリット
メリット | デメリット |
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・自分で稼いだお金は自由に使える ・お金の使い方に文句を言われない ・使いたい時に使える ・支出が管理でき、節約できる ・管理がしやすい ・妻(夫)が浪費家なので別の方が安心 | ・全体のお金の流れが把握できない ・定期的に精算しないといけない ・貯蓄額がわからない、教えてもらえない |
コレさえできれば、どんな方法でもOK!
「誰が管理しているのか」や夫婦のお財布が「一緒」か「別々」については、いろんな意見が分かれそうですね。家計管理が得意な方が管理してもいいし、財布別々で管理するけど共有すれば問題はありません。大事なポイントは、デメリットに挙がっている「貯蓄額」と「家計の現状」の把握です。これからの子育てやマイホーム購入など、大きな支出がある時に備えて「貯蓄」ができているか、また、使えるお金がいくらあるのか”貯蓄と家計の現状把握”ができているかどうかが重要です。具体的には、夫婦で家計の現状把握する機会を定期的に設けることが解決案となります。そのためにもまずは、夫婦のお金について話す機会を作ってみましょう。
産休・育休は、夫婦のお金について話してみる絶好のチャンス!
いつか話そうと思っていてもなかなか切り出すきっかけがない、、そんな方も多いのではないでしょうか?
子どもが産まれる(家族が増える)ことで、「これからお金が必要になる」とお互いが共通認識を持っているので、話し合いがスムーズに進みます。実は、長い人生の中で夫婦がお金について話し会いやすい機会は、数えるほどしかありません。収入や支出、家族が増減する「結婚・出産・子どもの進学・子どもの就職・退職」のタイミングです。また、お金の話や計画は夫婦ふたりの理解、協力が不可欠で、できる限り早い方が良いでしょう。毎日、顔を合わせますが仕事や家事、育児に忙しい日常ですので、面倒なお金の話はどんどん後回しになっていきます。産休・育休中は、夫婦のお金について話し合う絶好のチャンスです!
お互いの「お金」のことを話してみよう
といっても、どのようにお金の話を進めればいいのでしょうか?お金の価値観について、気軽にシェアしてみましょう。普段、相談に来られたご夫婦に私から問いかける質問をご紹介します。
ちょっと待った!話し始める前に読んでくださいね
夫婦と言えども、元は他人です。お互いの価値観がピッタリ合うという方は、いないのではないでしょうか。夫婦でお金について話すとき、大切にしたいことがあります。それは「対話」を意識することです。対話とは、お互いの立場や意見の違いを理解し、そのズレをすりあわせることを目的に行うものです。
幸福学の第一人者である前野隆司さんは、夫婦の対話について著書の中でこう述べています。
「どうして◯◯しなかったの?」というような問い詰めや議論にならないように気をつけてください。基本は、ゆったりとした穏やかな心です。穏やかな対話を通して、自己開示しあい、それぞれの理解を深めていくことが大事です。信頼できる相手がいると思うだけで、物事は解決に向かっていくのです。
引用:前野隆司著「幸せな人生を送る子どもの育て方/第2章より」
もしかしたらそんなに気にする必要はないかもしれませんが、お互い大切にしている価値観に触れる話ですので、少し意識するだけで気持ちいい対話ができると思います。世界78億人の中から縁あって出会えた2人ですから、価値観の共有・共感を楽しんでくださいね。
お金の価値観を共有する質問(前半)
Q1.今までの人生で”買って良かった”と思う買い物はなに?
さて、ひとつ目の質問です。
どういうものにお金を使うと、うれしい気持ちになるのかがわかる質問です。できるだけ、自分の感情にフォーカスしてみましょう。モノでもいいですし、旅行などの体験でもOKです。お互い「初めて知った!」というものかもしれませんね。買った時の思い出や買ってよかったと感じるシーンについて聞いてみましょう。人生で「大切にしたいモノ(コト)」を知ることができる質問です。
Q2.今までの人生で”無駄遣いだった”と思う買い物はなに?
苦い経験ですが、できればありありと思い出してみてくだい。シェアするのも嫌かもしれませんが。。でもその感情が大事で、どんな時に嫌な気持ちになるのかがわかり、自分でも新しい発見があるかもしれません。同じような嫌な気持ちにならないように夫(妻)にサポートしてもらえることはありますか?もしくは他の誰かが良いでしょうか?人生で「嫌なモノ(コト)」を知ることができる質問です。
Q3.今、もっとも”大事にしたい”と思っているお金の使い道はなに?
「どんなお金の使い道(方)をしたいのか」がわかる質問です。これから暮らしていく上でどうしてそのお金が必要と考えているのか、感じているのかをシェアしましょう。家族でお出かけだったり、もしくは交際費やおしゃれだったり、“今”お金をかけたい、また大事にしたいことを知ることができる質問です。
Q4.人生で「叶えたい夢ベスト5」をシェアしよう!
人生の夢について話したことはありますか?改めて話すと、照れくさいかもしれませんが貴重な時間になると思います。もしかしたら、自分でも考える機会がなかった方もいるでしょう。家族でハワイ!やマイホーム!とすぐに出てくる項目もあると思いますが、思考を柔軟に広げるために「経済的(お金)や物理的な制限なし」で考えてみてはいかがでしょうか?世界一周とか、宇宙人に会いたいとか(笑)楽しくないですか?ワクワクする気持ちをシェアしてみましょう。具体的に実現したい項目であれば、実現したい時期や必要なお金を目標として設定してみましょう。
Q5.これまでの浪費や投資、節約体験をシェアしよう!
幼少期や学生時代、社会人になってからこれまでのことを思い出してみましょう。どんなモノ(コト)に浪費&投資(自己投資)したんでしょうか?浪費していた時の環境や投資するきっかけや目的はなんでしょうか?また、どんな節約体験がありますか?節約のきっかけはなんでしょうか?それぞれの体験から発見や気づいたこともシェアしてみましょう。普段、なかなか振り返ることのないテーマですね。夫婦で共にシェア・共感することで今後のお金の計画の話がしやすくなります。
お金の価値観を共有する質問(後半)
いかがでしょうか、自分やお互いのことが分かってきましたか?
後半は、これからの夫婦、家族について話してみよう!
Q6.どんな家庭にしたい?
さて、あなたはどんな家庭にしたいですか?子どもは、◯人欲しいや◯歳開けたい、犬や猫のペットを飼いたい、両親と同居を希望しているなど具体的に出てくるでしょうか。また、抽象的ですが、家庭(家族)の姿勢や目的でもいいかもしれません。 自分たちが育ってきた家族や理想とする家族像を元に考えてみてください。事例を挙げるとすれば、「 笑顔の絶えない家庭」「 安らぎのある温かい家庭」「 なるべくケンカをしない家庭」「 お互いに何でも言い合える家庭」「 のんびりと落ち着ける家庭」「 お互いに協力し合い家庭」「 家に帰ったら心が和むような家庭」などなど、なんとなく思っていることを言葉にして、二人で共有しておくともいいですね。子育てや家事、仕事が忙しくなった時に立ち帰れるコンセプトあれば、うまくコミュニケーションが取れるかもしれません。
Q7.これからの働き方は?
働き方はいかがでしょうか?共働きか、片働き働きなのか。もしくは、子どもが◯歳まで片働きでその後はフルタイムとか、フルタイムだけど◯歳に退職したい、今は会社員だけどいずれ起業したいなど、働き方はさまざまです。子育てや住む場所、家事分担の話に展開するかもしれませんが、お互いの「働き方」から2人にとっての理想の形を探してみましょう。働き方の計画によって、将来のお金の計画に大きく影響がありますね。
「FIREできますか?」
最近、この相談が増えています。FIRE(ファイア)をご存知ですか?Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期リタイア)の頭文字をとった言葉で、簡単言うと早期に資産を築いて、リタイヤする生き方のことです。FIREやセミFIREまでの道のりは、さまざまですが、ひとつの会社で定年まで働いて、、といった今までの当たり前の生き方の変化を実感しています。
Q8.どんなライフスタイルが理想?
家庭や仕事のことが話し合えたら、次は仕事終わりや休日、長期休暇などの過ごし方についても話し合ってみましょう。お互いの趣味や好きなことは知っていると思いますが、子どもができてやりたいことが変化したり、子育てや家事の時間が増えて、今まで通りにはいかないこともあると思います。時間は有限ですので、家族旅行やスポーツ、学びや習い事など、どれを優先するのか、どの時間を大事にしたいのかについてもシェアしてみましょう。
Q9.マイホームは必要?
住むエリアや賃貸か所有かについても話が出てくるでしょう。働き方や子育てに直接関係してくるテーマですね。お二人が奈良出身であれば、ご両親の子育て支援を中心に考えるでしょうし、そうでなければ通勤を重視されるかもしれませんね。出産直後だと、家のことはまだまだと感じていますが、子どもが動き回るようになる頃には「近隣への音が気になる」「静かにしなさいを言いたくない」とか「家賃がもったいない」など、マイホームが欲しくなった理由を尋ねると多くの方がこのように答えます。夫婦の価値観や働き方、子育て、ライフスタイルからお二人にとってどんな家がちょうど良いのでしょうか。マイホーム(所有)となれば、人生最大級の高額な買い物です。買ってしまうと後戻りできません。例えば、戸建てでも賃貸という選択肢もありますが、所有である理由はなんでしょうか?全国的に見ても奈良は、持ち家の比率が高く、無意識のうちにマイホームが当たり前になっているかもしれません。しかし、自分たちが育った親世代とは、経済状況や価値観が大きく変化しています。2人の”家という空間”について話し合ってみましょう。
「日常のお金」を見直してみよう
さて、ここまで2人のお金や人生の大切にしたいことを話し合ってきました。
この章では、「日常のお金」に目を向けて具体的な行動につなげていきましょう。
見える化してみる
1年間にかかるお金を”見える化”する作業から始めよう!
現状のお金の出入りがどうなっているのかを確認することが大きな一歩です。
毎日かかる生活費はもちろん、休暇時の旅行費や自動車の維持費など年間の支出を書き出してみましょう。
仕分けしてみる
支出の見える化ができたら、支出項目ごとに「Need(譲れない必要なもの)」「Want(欲しい/やりたこと)」に仕分けしてみよう。例えば、ほとんどの食費は[Need]ですが、外食は[Want]でしょうか。通信費は[Need]でゲーム課金は[Want]、旅行はどっちでしょうか?人生を豊かにするものなら[Need]かもしれません。一般的な目線や他人目線ではなく、あくまでも自分(たち)の主観を大事にして仕分けしてみよう。また、何に使ったかわからないお金 =使途不明金が出てくるかもしれません。何に使っているのか、振り返ってみてください。こちらもNeedかWantに仕分けしてみましょう。
下の例は、各シートに収入と支出を記入し、N(Need)とW(Want)の仕分けをしたところです。支出項目は、固定費は青、支出は赤で色分けしています。
削ってみる
まず、削る項目は「固定費」から手をつけてみましょう。固定費とは、住居費や水道光熱費、通信料、保険などです。削ると言っても簡単ではないかもしれませんが、一度見直すと毎月、毎年で考えると数万円単位で減らすことができる支出項目です。固定費の中でも仕分けで[Want(欲しい/やりたいもの)]の項目からまずは削ってみよう。次に固定費の中で「Need(譲れない必要なもの)」もチェックしてみましょう。削れそうなものはありますか?
増やしたい項目はありますか?
一方、ふたりの価値観から考えてみて増やしたい項目はありますか?
例えば、交際費の増額やあらかじめ予算をとっておきたいお金のことで、将来の子育てのお金をはじめ、海外旅行のための貯金など計画的に準備するお金です。
上の収入見える化シートには、「児童手当」は入っておりません。子どもが0歳であれば、年間18万円の収入が増えることになるので、その使い方についても検討が必要ですね。
今後の見通しは立ちましたか?
夫婦のお金について話してみましたか?
先輩夫婦のデータやお財布(家計)の管理について、おふたりのルールが作れそうですか。子どもが産まれるタイミングは、お金について話し合う絶好のチャンスです。この先、育児や家事、仕事(場合によってはマイホーム購入)でとても忙しくなってくることが想像できます。
ぜひ、ご紹介した「お金の価値観を共有する質問」に取り組んでいただければと思います。もちろん、質問通りに進めることはありません。晩御飯を食べながら、休日にコーヒーでも飲みながら、気張らず気軽に話してもらえたらと思います。そして、家計の見える化&見直しについても話し合えたら、今後の見通しができたのではないでしょうか。
とはいえ、お金の話は苦手な方へ
でも、夫婦2人では「前向きに話が進まない」「知識がなくてわからない」という方も多くいらっしゃいます。そんな時もご安心ください。
お二人以外の第三者が話し合いに入れば、スムーズにお話が進むケースもあります。売り手に属さないお金のプロに相談しましょう。忙しくなる前の今が絶好のチャンスです!